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2019.03.21
知多半島案内 Vol.23 『常滑市の赤い果実 いちじくを食べてみよう!』
知多半島案内 Vol.23『常滑市の赤い果実 いちじくを食べてみよう!』
みなさんこんにちは!知多半島の情報誌『EDIT知多半島』のライター田村です。今回も知多半島へ来るならぜひ知っていて欲しい情報をお伝えいたします。
みなさんはいちじくと聞いて、すぐに姿が思い浮かびますか。自信をもって答えられなくとも、当然といえば当然のこと。いちじくはジャムや加工商品などで目にする機会が多いのではないかと思います。リンゴやミカンなどとは違い、いちじくは完熟するまで木で育ち出荷されるため、生の果実は日持ちが短く産地以外ではなかなか店頭に並ぶことが少ない果物なのです。食べると飛び切り甘くてみずみずしく、ファンも多いいちじく。そんな生のいちじくが満足いくまで食べられる産地が常滑市なんです。
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甘くてみずみずしい完熟した「とこなめいちじく」
常滑市はいちじくの産地なんです
地元では最近まであまり話題になっていなかったいちじく。当然といえば当然で、地元の人間にしてみれば「近所の知り合いがつくっている身近な果物」であり、特別なものではなかったからです。しかし、最近にわかに注目を浴びはじめています。その裏側にあるのは、地元の産業を応援したいと活動している「常滑レッドフルーツプロジェクト」の存在があります。
常滑のフルーツを知って・食べて・楽しんで!
常滑レッドフルーツプロジェクトのリーダーをしているのは、常滑市で「魚豊」という仕出し屋をしている澤田さん。もともと商工会議所として取り組んでいた活動でしたが、現在ではその枠を飛び超え精力的に取り組んでいます。「地元のフルーツをもっと知ってもらい、もっと多くの人にその魅力を知ってほしい。常滑がもっと盛り上がると嬉しい」という想いがモチベーションとのこと。特に常滑で生産量の多いいちじくやイチゴといった赤いフルーツに着目して命名した「常滑レッドフルーツプロジェクト」。同じ想いを抱いて活動するメンバーには、生産者・飲食店・小売店といった様々な地域の事業者が集まり活動しています。
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月に一度の会議
参加者で意見の交換をしています
まずは生のいちじくを食べてみて!
日持ちがしないのが玉に瑕のいちじく。完熟いちじくは丁寧に温度管理を行わなければならず、農家さんは深夜〜早朝にかけて気温が上がる前に収穫したりと、おいしい生のいちじくを口にするまでがどんなに大変なことか想像できると思います。だからこそ、常滑市でぜひ生産地ならではの美味しさを味わってもらおうと考えた澤田さん。そのためには生産者の皆さんの協力が不可欠でした。澤田さんはプロジェクトの想いをいちじく農家さんにも熱心に語り掛け、今ではいちじくの農家さんが集まった団体もプロジェクトに参加しています。そういった連携もあり、プロジェクトが出店するイベントでは当日に農家さんが朝早くから収穫した獲れたていちじくを販売できるようになりました。朝獲れのいちじくは大好評で、出店するたびに早い時間に売り切れてしまいます。
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常滑いちじく部会の皆さん
農家の方々ともしっかり連携しています
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追熟しないいちじく
完熟の美味しい時を見極め収穫される
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肌寒いくらいの温度で管理され、仕分けられる
もっといちじくを楽しむには?
生のいちじくはおいしいですが食べられる時期も限られますし、一日の収穫量も限られます。より多くの人に常滑のいちじくを食べてもらうには、その味を楽しむ方法をもっと増やすことが必要だと考え、プロジェクトで取り組んでいるのがお土産商品の開発です。プロジェクトに積極的に参加するお店の方とオリジナル商品を開発し、生のいちじくとは違ういちじくの魅力を幅広く楽しめるようになってきています。
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大門屋則義がつくる新しい名物「知多のしずく」
いちじくの果汁を使った寒天ゼリー
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台湾のパイナップルケーキが好きな店主が考案
かじまのクッキー屋さんの自家製いちじくあんがたっぷり「パイナップルケーキみたいないちじくケーキ」
さらに昨年は“とこなめいちじくマップ”を制作。澤田さんがプロジェクトをスタートさせる前から、すでに常滑市内で地元のいちじくを使った商品を開発している店舗はたくさんありました。そこでその情報をまとめ、イベント等でより幅広い方々に知ってもらおうという活動もしています。このマップを使えば、常滑のいちじくを使った商品を一覧で見ることができ、さらにどこで食べられるかが地図でわかるようになりました。
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常滑のいちじくを使ったスイーツやいちじくの直売所などの情報がいっぱい
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地域のイベントへ積極的に出店
いちじくの美味しさを広めています
常滑のいちじくをブランド化したい
実は東京に並ぶいちじくの多くは愛知県産。それもそのはずで、日本でいちじくの生産No.1は愛知県なのです。そんな県内でも生産量上位にいる常滑市。常滑のいちじくは全国でも取り扱われる名産物なんです。であれば、もっとおいしいいちじくをつくり、ブランド化しようという動きも始まっています。昨年は、同市内にあるセントレア(中部国際空港)にも働きかけ、常滑の生いちじくをセントレアで販売することも実現しました。出国ゲートを出た先での販売なので、海外の方にお土産として買っていただけるのだから、正直驚きです。
ますます盛り上がる常滑のいちじく
今年も様々な取り組みを考えている常滑レッドフルーツプロジェクト。パーキングエリア等でいちじくフェアを開催する予定もあるとのこと。詳しくは公式フェイスブックアカウントをチェックしてみてくださいね。ぜひ一度、農家さんが厳選した生のいちじくを食べてみてください。いちじくを食べて笑顔があふれる町へ向けて、今後の活動に要注目です!
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イベント時、笑顔でいちじくを頬張る子どもたち
以上、知多半島の情報誌『EDIT知多半島』の田村がお送りしました。
次回の記事もお楽しみに!