
2019.06.06
知多半島案内 Vol.35『日間賀島のアオリイカを食べるなら、今です』
知多半島案内 Vol.35『日間賀島のアオリイカを食べるなら、今です』
みなさんこんにちは!知多半島の情報誌『EDIT知多半島』のライター田村です。今回も知多半島へお越しの際にぜひ知っていて欲しい情報をお伝えいたします。
以前少しニュースでお伝えした日間賀島のアオリイカ。見るだけでも十分おいしそうなのですが、いったいどうやって私たちのテーブルまで運ばれてきているのか。今回は海から日間賀観光ホテルのテーブルにやってくるまでを密着取材してみました。
朝10時30分、出港
アオリイカ漁は潮の満ち引きを見て漁をするということで、この日は朝の10時30分頃に港へ集合しました。いったいどんな船で漁をしているのかと想像を膨らませながら、カメラマンの田口と二人で想像を膨らませていると漁師さんが1人到着。しばらくすると、小さなボートで海からもう1人の漁師井戸田さんもやってきて、大人4人でちょうどいい具合に埋まったボートが出港しました。

10時30分、出港!
長い船旅・・・と思いきや、直ぐ漁開始!
この日は海面がとても穏やかで、ほとんど波はなし。とはいっても、小さなボートだけに多少の波でも海水は船へバサーンと入ってきます。そんな状態でいったいどれぐらい進むのだろうかとのんびり構えていると、なんと出港して十数分でなにやらゴソゴソと準備が始まり、網が投げ込まれ漁が始まりました。今回訪れた猟場は「こんなに近くで!」と驚く程に島の近くです。島から見学している人がいる程の近さです。間違いなく、日間賀島の海で漁をしていました。

漁、開始。網を投入
網を投入したら、イカを誘い込む
海面が穏やかと言っても、決して海中が見えるわけではありません。ですので、我々素人には適当に海に網を投げ込んでいるように見えてしまいます。網を投入し終わった後は、これまた何も見えない海中に向かって、適当に銀色の筒のようなモノをバシャバシャと投げ入れては引き上げを繰り返します。何をしているのかとたずねると、「イカを追い込んでいる」とのこと。イカがいそうな場所を網で囲い込み、そして反対側から物音を立ててイカを驚かせます。逃げようとするイカは網に向かって逃げ、そして引っかかって逃げられなくなってしまいます。その網を引き上げてイカを確保します。ただ、何度も言いますが、我々には水の中に網を入れてバシャバシャ音を立てているだけにしか見えません。本当にイカは引っかかっているのでしょうか。

イカを追い込む
次から次へと、イカが現れる!
ひとりが船の舵を操りながら自在に船を操り、もうひとりがひたすら銀の筒を投げ入れては上げを繰り返して、ついに網を引き上げる瞬間がやってきました。本当にイカが掛かっているのかと網を眺めていると、「イタっ!」と漁師さんが海中を指さします。しばらくすると海面近くで「バシュ!」という音と共に、真っ黒な墨が広がりました。すると透明な体に茶色の模様がついたアオリイカが網に絡まり船上に上げられてきました。吸盤で激しく抵抗しているイカを器用に網から外し、いけすの中へ入れる漁師さん。すると次から次へと上がってくるイカたち。皆一同に海水から上がる直前に墨を吐いており、船上で墨を吐くイカはものすごくまれでしたが、今考えればあれもまた漁師さんたちの腕なのでしょう。

イカが次々とあがってくる
海から陸、そしてホテルまでが数分
捕れたアオリイカは船の生簀に入れられ、活かしたまま運ばれます。この日は大漁だったので、活かしで運ぶもの以外は鮮度を保つため船上で神経締めにされました。ものの数分前まで自分の真下の海で生活していたアオリイカは、船に揺られて数分で港へ。そこに現れたのは、日間賀観光ホテルの中山幸彦社長。軽トラックから降りてくると、先ほど上がったばかりのイカを次々と荷台に載せていきます。漁師たちとの会話も早々に、軽トラックであっという間に日間賀観光ホテルへ。

捕れたてを生簀へ

神経締めの様子

船からイカを受け取る、中山社長

港からホテルへ向かう
鮮度が違う、日間賀観光ホテルのアオリイカ
ホテルへやってきたアオリイカは、直ぐに生簀へ。神経締めされたイカは、直ぐに捌きます。大きいモノだと数キロにもなるというアオリイカですが、きれいに部位わけされて行く様は見ていて気持ちいいです。と同時に、なんだかさっきまで海にいたのにすでに「食べ物」という形に変化していることに驚きを感じます。今回は特別に、活かしたまま運ばれたアオリイカをそのまますぐ職人の手で料理しにしていただきました。

元気なイカを生簀へ

神経締めされたイカはすぐに捌く
アオリイカの活き造りと天ぷら
「職人歴たったの30年」とおっしゃる日間賀観光ホテルの職人大澤さんに捌いていただきました。大澤さん曰く、イカをおいしく食べるには隠し包丁が重要とのこと。美しく輝くイカの身に、数ミリ単位で入れられていく包丁捌きは見ているだけでも飽きません。それから丁寧に盛り付けされ、テーブルへ。
歯ごたえがよいイカの刺身に舌鼓を打った後、活き造りにされたゲソやミミといった部位を天ぷらにしてもらえます。新鮮だからということで、肝もそのまま一緒に天ぷらにしてもらいます。アオリイカの肝がついた状態の天ぷらは、また格別。濃厚なイカの味と、弾ける食感が笑顔をもたらします。

職人が捌く様子

隠し包丁をいれる

アオリイカの活き造り

ゲソとミミの天ぷら

新鮮だからこそ、肝もおいしく食べられる
アオリイカの時期は5月・6月ぐらいが良し
今回の我々は取材の特別メニューかと思いきや、事前に相談があり、かつ漁も良ければこの時期は対応していただけるとのこと。なんとご要望によってはランチタイムでもOK。『日間賀島のアオリイカ活き造りと天ぷらのセット』は2人前(300g程)で3,000円からです。アオリイカはサイズが大きいものも多く、大人数で訪れれば記念に残る食事が楽しめそうですよ。なんだか思い出すと、また食べたくなってきました。気になった方は、ぜひお電話で。
次回の記事もお楽しみに!