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2019.07.11
知多半島案内 Vol.40『知多半島の温故知新その3 常滑系招き猫』
知多半島案内 Vol.40『知多半島の温故知新その3 常滑系招き猫』
みなさんこんにちは!知多半島の情報誌『EDIT知多半島』のライター田村です。今回も知多半島へお越しの際にぜひ知っていて欲しい情報をお伝えいたします。
知多半島の空の玄関口であるセントレアは、常滑市にあります。常滑と言えば焼き物の町ですが、外国人に人気の2頭身で愛らしいフォルムが人気な招き猫の産地としても知られています。クリクリの丸いどんぐりまなこ。おなかには小判や大入り袋を携え、金運やお金を招くべく高く上げられた手。そんな”常滑系招き猫”のことを、もうちょっと詳しく知るための情報をお伝えいたします。
愛らしい町のシンボル”招き猫”
今ではとこなめボートレースや常滑市のマスコットとしても活躍している招き猫。2006年には常滑商工会議所で「招き猫プロジェクト」が発足したり、翌年の2007年には常滑駅と焼き物散歩道を結ぶルート上に、地元陶芸家による猫のオブジェ39体が設置された「御利益招き猫ストリート」が誕生するなど、徐々に観光客にも楽しんでいただけるようにと町中に招き猫があふれていきました。
でもなぜ招き猫かというと、元々全国屈指の生産量を誇っている招き猫の生産地だったからなのです。そして今では世界中で目にするこの愛らしい基本デザインは、常滑発祥と言われています。招き猫その者は江戸時代に生まれたと伝えられており、その後縁起物として全国でつくられるようになりました。もちろん各地方によって様々なデザインがありますが、地元知多半島の人たちが思い浮かべる招き猫と言えば”常滑系”である場合がほとんどです。
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常滑駅を降りて陶磁器会館に向かう途中にある「招き猫通り」
常滑系の誕生は昭和20年代
招き猫専門の窯元として手作りにこだわり続けているのが冨本人形園さん。昭和20年前というと今から約70年前のこと、別の土地で見かけた招き猫を自分でもつくってみようと作り始め、最初は今のように2頭身でなかったが数年で現在の愛らしい2頭身の常滑系が完成したとのことです。その後、小判をもったり手を高く上げたりするデザインも徐々に生まました。素焼きして絵の具で色を塗ると言った常滑独自の製法もまた、常滑系の特徴と言えます。
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一つ一つの猫たちに命を吹き込むには、職人の手作業が必須
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この光景が目にできるのも常滑ならでは
大阪商人の商魂が影響した?
手長や小判を持つスタイルになったのは大阪の商人のオーダーに応えるかたちでうまれたとのことで、もっと多くお金やお客を招きたいという商人の願いを叶えるための結果になったという話しもあります。もしそうであれば、その以来の結果として日本だけではなく正解でも愛されるフォルムになったのですがら、大阪商人にも感謝しなければいけませんね。さすが、と言ったところでしょうか。とにかく間違いないことは、現在のフォルムに落ち着くまでには様々な歴史があったのですね。
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この姿を見かけたら、常滑を思い出してくださいね
生誕70年。世界でブレイク中の凄い猫
かつては常滑市内に数十件あったという招き猫の製造元は、そのほとんどは姿を消してしまいました。一時は粗悪な海外製が出回り、国内の需要が冷え込むなど様々な困難を乗り越えてきた常滑系招き猫。しかし、コツコツと良いモノを作り続けてきた招き猫は、今では世界の様々な場所で見かけるまでに広がりました。常滑やきもの散歩道にも世界中から観光客が訪れるようになり、もちろんお土産としても愛され続けている常滑系招き猫。伝統的なこのデザインは、今も変わらず常滑だけでなく知多半島の魅力として輝いています。さらに招き猫の進化は続いており、現在では昔のような縁起物としての招き猫という範囲にとどまらず、様々な作家によってバリエーション豊かな招き猫もつくられるようになりました。
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様々なところで愛される招き猫は、丁寧に生産されています
たかが招き猫、されど招き猫
日本人なら、お店の入り口などで一度は目にしたことがあるであろう招き猫。ずんぐりむっくり、クリクリした目で人の縁を繋いできた常滑系招き猫は、これからも沢山の人の願いを叶えるべく世界中で活躍していくことでしょう。そんな歴史や様々な人の想いを感じつつ、ぜひ知多半島へいらっしゃった際のお土産としてはもちろん、様々なところにたたずむ招き猫を探して、自分のお気に入りとの出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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常滑では素焼きした猫に自分で柄をつける「絵付け体験」ができる施設もあります
日間賀島でも常滑系招き猫に出会えます
本物の常滑系招き猫をお探しなら、ぜひ常滑市まで足を運んで頂くのが良いかと思いますが、日間賀観光ホテルのお土産売り場「島マルシェ」でもご購入可能です。なんと、日間賀島ならではのタコやフグとコラボした招き猫も販売中。なるべく地元の良いモノを多くの人に知っていただきたいと考える、日間賀観光ホテルならではの深いつきあいがあるからこそできる逸品となっています。自分にはもちろん、大切な人にも知多半島の魅力が伝えるカワイイパートナーとしても良いかもしれませんね。宿泊のない方も、お土産売り場を覗くことは可能なので、ぜひご興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。
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日間賀観光ホテルの入り口直ぐにある売店「島マルシェ」
次回の記事もお楽しみに!